木版画 伝統技法とその意匠 絵師・彫師・摺師 三者協業による出版文化の歴史

著者:竹中健司/米原有二
写真:中島光行
出版社:誠文堂新光社
体裁:B5変形/224p/フルカラー
発売日:2021.12.03
ISBN:978-4-416-62152-3
定価:4,400円

出版社による紹介文

 「木版印刷」とは、木の板に刃物で凹凸をつくり、そこに色を付けて文字や図像を紙に写す技法です。日本では浮世絵に代表される多色摺りによって、版数を重ねて色彩を組み合わせる技法が発展してきました。
また、出版、印刷物の歴史として、人間の生活とともに受け継がれてきた伝統工芸であり、いわば人間の生活史といえます。
機械印刷が主流になったいまでも、手仕事で摺られた木版印刷ならではの独特の風合いは、紙にかかわるデザイナーやアーティストら多くの人を魅了し、さまざまな印刷物や作品に採用されています。
 本書は、京都の老舗「竹中木版 竹笹堂」による、彫り、摺りを中心とした技術を丁寧な解説とともに紹介するとともに、木版画が仏教とともに伝来してから、浮世絵が最盛期・円熟期を迎えた江戸時代、伝統技法をアップデートし続ける現代の木版プリントまで、老舗ならではの貴重な資料を豊富に用いながら、日本の「木版印刷」の歴史をひもときます。
 寺社や博物館で保管されてきた古版木の再摺り・復刻をおこなうなど、国内外の「歴史遺産としての木版画の再生」する活動の過程も掲載し、資料価値の高い内容でありながら、数々の図版と美しいビジュアルで、美術、工芸関係者はもちろん、若手作家やアーティストの参考になる一冊になっています。

目次
第1章 木版印刷の歴史
木版印刷の誕生/出版産業の勃興/浮世絵の登場 他
第2章 木版印刷の仕事
版元とともに歩んできた木版画/商業印刷としての木版画
第3章 木版画の制作技法
浮世絵の制作工程/絵師・彫師・摺師の協業について
第4章 現代木版画の意匠
木版画を支える職人を訪ねて- 越前和紙 岩野市兵衛氏 和紙の里へ –
第5章 これからの木版画